年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
昨日の夜。
ベッドに潜り込んでもなかなか眠れないでいると、大輔くんが部屋に入ってくる音がした。私はすかさず眠ったフリをする。
彼は少しの間立ち止まると、私に静かに近寄ってきた。
顔を覗きこむ気配を感じる。彼が小さな声で囁いた。
「沙羽さん、寝ちゃいましたか?」
もちろん私は眠ったフリを続けた。
すると彼の手が、本当に優しく、壊れ物に触れるように、私の髪を撫でた。
どきんと心臓が大きくはねて、その手の感触に全神経が集中する。
起きていることがバレないようになんとか落ち着こうとしていると、彼の手が離れた。電気が消えて、後ろでコタツに潜り込む気配がした。
結局ほとんど眠れないまま朝を迎えて、いつもよりも一時間以上早く起きだした。メイク道具も全て会社に置きっぱなしで、鍵が開いたらすぐに入れるように、簡単に洗顔だけして大輔くんの家を出る。
大輔くんは私と一緒に家を出て会社まで付き添ってくれて、鍵が開くまで一緒に待ってくれた。
総務の鍵当番の人の姿が見えるとすっと離れて、私からコートを受け取ると、ちょっとにこっと微笑んでから去っていく。
なんでこんなに優しいんだと、逆に悲しくなってしまうくらいだった。
服の替えなんて会社に置いていないから、まるごと昨日のままだ。それであらぬ疑いをかけられるなんてたまったもんじゃない。ただでさえ傷心中なのに。
ベッドに潜り込んでもなかなか眠れないでいると、大輔くんが部屋に入ってくる音がした。私はすかさず眠ったフリをする。
彼は少しの間立ち止まると、私に静かに近寄ってきた。
顔を覗きこむ気配を感じる。彼が小さな声で囁いた。
「沙羽さん、寝ちゃいましたか?」
もちろん私は眠ったフリを続けた。
すると彼の手が、本当に優しく、壊れ物に触れるように、私の髪を撫でた。
どきんと心臓が大きくはねて、その手の感触に全神経が集中する。
起きていることがバレないようになんとか落ち着こうとしていると、彼の手が離れた。電気が消えて、後ろでコタツに潜り込む気配がした。
結局ほとんど眠れないまま朝を迎えて、いつもよりも一時間以上早く起きだした。メイク道具も全て会社に置きっぱなしで、鍵が開いたらすぐに入れるように、簡単に洗顔だけして大輔くんの家を出る。
大輔くんは私と一緒に家を出て会社まで付き添ってくれて、鍵が開くまで一緒に待ってくれた。
総務の鍵当番の人の姿が見えるとすっと離れて、私からコートを受け取ると、ちょっとにこっと微笑んでから去っていく。
なんでこんなに優しいんだと、逆に悲しくなってしまうくらいだった。
服の替えなんて会社に置いていないから、まるごと昨日のままだ。それであらぬ疑いをかけられるなんてたまったもんじゃない。ただでさえ傷心中なのに。