年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
パスタが運ばれてきて、祥裄は黙って私に少し取って差し出した。
祥裄が頼んだものは先に少しもらって、私が頼んだものは、大抵食べきれないから最後に祥裄に押し付ける。
私達なりのシェア方法は、お互いに気を遣わなくていいからこそできる方法だった。祥裄の隣はやっぱり、楽で居心地がいい。
私も黙って皿を受け取った。黙々と食べ続ける私たちを、カウンターに戻ってきたマスターがどこか心配そうな目で見ているのがわかる。
……だってもう、祥裄には絵里ちゃんがいるじゃない。
「絵里ちゃん、あんたに何を相談してたの?」
「え?」
「相談に乗ってもらって、それで仲良くなったんだ、って絵里ちゃんから聞いた。……まあ、話せないなら話さなくていいけど」
ようやく口を開いた私から絵里ちゃんのことを聞かれると思わなかったんだろうけど、祥裄はなんだか言いにくそうな顔をした。少し躊躇って、口を開く。
「あんまり堂々と話せない人と付き合ってたんだって。その人と別れたい、って相談を聞いてて、別れた時に俺が必要だ、って言われた」
祥裄が頼んだものは先に少しもらって、私が頼んだものは、大抵食べきれないから最後に祥裄に押し付ける。
私達なりのシェア方法は、お互いに気を遣わなくていいからこそできる方法だった。祥裄の隣はやっぱり、楽で居心地がいい。
私も黙って皿を受け取った。黙々と食べ続ける私たちを、カウンターに戻ってきたマスターがどこか心配そうな目で見ているのがわかる。
……だってもう、祥裄には絵里ちゃんがいるじゃない。
「絵里ちゃん、あんたに何を相談してたの?」
「え?」
「相談に乗ってもらって、それで仲良くなったんだ、って絵里ちゃんから聞いた。……まあ、話せないなら話さなくていいけど」
ようやく口を開いた私から絵里ちゃんのことを聞かれると思わなかったんだろうけど、祥裄はなんだか言いにくそうな顔をした。少し躊躇って、口を開く。
「あんまり堂々と話せない人と付き合ってたんだって。その人と別れたい、って相談を聞いてて、別れた時に俺が必要だ、って言われた」