年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
すぐに祥裄も追って来て、私に声をかける。
「沙羽」
「ん?」
「大丈夫か?」
私の気持ちを見透かされているようなその問いに、反射的に祥裄のほうを振り向く。
「……何が?」
笑って訊くと、祥裄がすっと目を細めて私を見た。
「その髪、あいつが切ったんだろ?」
「そうだけど、なに?」
「あいつのこと好きだろ」
笑ったまま顔が固まる。大輔くんへの気持ちなんて何一つ祥裄には話していないのに、どうしてわかるんだろう。
「お前、昨日あいつの家に泊まったんだろ? ……気になって、朝お前の会社に寄ったんだ。あいつと一緒に歩いてるの、見た」
「……見ててカマかけた?」
「悪い」
誰のところに泊まっていたのか、祥裄は知っていたのか。祥裄は鋭いから、私が女友達のところに泊まったと嘘をついた時点で、何かに気付いたのかもしれない。
「なあ。あいつはやめとけ。すげえ年下だろ、お前とは合わない」
祥裄の表情も声も真剣だった。本当に私のことを考えて、そう言っているのがわかる。
「わかってるよ、そのくらい。……別に好きなわけじゃない」
固まった笑顔を無理やり深めて、私は祥裄の目から逃げるように、後ろを向いた。
「ごちそうさま。またね、おやすみ」
後ろを向いたまま手を振った。祥裄の顔を見たままじゃ、また泣いてしまいそうで、怖かった。
「沙羽」
「ん?」
「大丈夫か?」
私の気持ちを見透かされているようなその問いに、反射的に祥裄のほうを振り向く。
「……何が?」
笑って訊くと、祥裄がすっと目を細めて私を見た。
「その髪、あいつが切ったんだろ?」
「そうだけど、なに?」
「あいつのこと好きだろ」
笑ったまま顔が固まる。大輔くんへの気持ちなんて何一つ祥裄には話していないのに、どうしてわかるんだろう。
「お前、昨日あいつの家に泊まったんだろ? ……気になって、朝お前の会社に寄ったんだ。あいつと一緒に歩いてるの、見た」
「……見ててカマかけた?」
「悪い」
誰のところに泊まっていたのか、祥裄は知っていたのか。祥裄は鋭いから、私が女友達のところに泊まったと嘘をついた時点で、何かに気付いたのかもしれない。
「なあ。あいつはやめとけ。すげえ年下だろ、お前とは合わない」
祥裄の表情も声も真剣だった。本当に私のことを考えて、そう言っているのがわかる。
「わかってるよ、そのくらい。……別に好きなわけじゃない」
固まった笑顔を無理やり深めて、私は祥裄の目から逃げるように、後ろを向いた。
「ごちそうさま。またね、おやすみ」
後ろを向いたまま手を振った。祥裄の顔を見たままじゃ、また泣いてしまいそうで、怖かった。