年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
最近急に風が冷たくなってきた。
酔っ払って熱くなった顔に夜風が当たって気持ちいい。

いい気分でふわふわと歩いていると、もう祥裄のことなんてどうでもいいような気になってくる。

あんな奴、絵里ちゃんにうまいこと転がされて、貢がされて捨てられればいい。そうだ、私みたいに、いきなり一人ぼっちになって、目の前で絵里ちゃんが次の男といちゃつきながら歩いていくところを、呆然と見送ればいい……。


新しくできたイタリアンに連れていってくれる、って言ってたの、すごく楽しみにしてたんだけどな。

もう少ししたら紅葉を見に、毎年恒例のドライブに行く予定だったのにな。

新しく買った圧力鍋で、ビーフシチューを作ってあげるって言ってたのにのな……。



どんどん祥裄とやりたかったことが思い浮かんでくる。
それと一緒に、また目の奥が熱くなっていく。

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