年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「……ホントは、きちんと一人前のスタイリストとして認めてもらってから言おうと思ってたんですけど」
顔を覆っていた手を外して、コホン、と一度咳払いをした。
下を向いてきゅっと口元を引き締めた後、顔を上げて真剣な表情で鏡越しに私を見る。
「俺、沙羽さんのことが好きです」
それから、驚いて固まってしまった私の前に回って、膝をついた。
遠慮がちに私の手を取って、両手の中に握り込む。私の小さい手は彼の大きな手の中に、すっぽりと収まった。
じっと見上げてくる瞳は、真っ直ぐで一途で嘘がなくて、必死だった。
「俺と、付き合ってもらえませんか?」