年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
――めちゃくちゃ嬉しい。死ぬほど嬉しい。夢みたい。
そんな心の中とは反対に、私の口から出てきた言葉は、否定だった。
「無理」
大輔くんの目がきょとん、と見開かれる。
「え、っと……」
「だってきみ、私が今日でいくつになったか知ってる?」
「……三十歳、ですよね?」
「そう。で、きみ今いくつ?」
「二十二です」
「そうだよね。八歳差。きみが生まれた時、私は小学生だった。きみが小学四年生で私はすでに大学生で、きみが高校で青春してた時に私はもう働いてた。
恋人じゃなくてどっちかというと姉弟じゃない。そんな子と付き合うのなんて無理、うん、無理」
かたくなに無理、を繰り返す私に、大輔くんの目がすっと細められる。