年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
片付けを終えた大輔くんが、お待たせしました、と自分の荷物を持って出てきた。その態度はまったくいつもと同じで、私に告白したことなど忘れてしまったかのようで。
それでも、二人連れ立って寒い夜道を歩いている間、なんとなくいつもより会話が弾まなくて、お互いに意識しているのを感じた。
そろそろ私の家の前だ、というくらいになって、少しだけ前を歩いていた大輔くんがいきなり立ち止まった。下を向いて歩いていた私はぶつかりそうになって、驚いて顔をあげる。
「どうしたの、いきなり……」
大輔くんはじっと一方向を見ていた。その少し険しい目線の先に、見慣れた人物が立っている。
「祥裄? なにしてんの、こんなところで?」
祥裄が私のマンションのエントランスの壁にもたれて、腕を組んでこちらを見ていた。私が声をかけると組んでいた腕をおろして、壁から体を離す。足元に、何か紙袋が置いてあった。
慌てて駆け寄った私に、無言で手を伸ばしてきた。驚いて軽く身を引いた私の髪を、ひと房摘む。
「……またえらく短くなったもんだな」
不機嫌そうに呟く、その指が一瞬頬に触れて、その冷たさに身が竦んだ。氷みたいな冷たさで、一体どれだけここに立っていたんだろうと不安になる。
それでも、二人連れ立って寒い夜道を歩いている間、なんとなくいつもより会話が弾まなくて、お互いに意識しているのを感じた。
そろそろ私の家の前だ、というくらいになって、少しだけ前を歩いていた大輔くんがいきなり立ち止まった。下を向いて歩いていた私はぶつかりそうになって、驚いて顔をあげる。
「どうしたの、いきなり……」
大輔くんはじっと一方向を見ていた。その少し険しい目線の先に、見慣れた人物が立っている。
「祥裄? なにしてんの、こんなところで?」
祥裄が私のマンションのエントランスの壁にもたれて、腕を組んでこちらを見ていた。私が声をかけると組んでいた腕をおろして、壁から体を離す。足元に、何か紙袋が置いてあった。
慌てて駆け寄った私に、無言で手を伸ばしてきた。驚いて軽く身を引いた私の髪を、ひと房摘む。
「……またえらく短くなったもんだな」
不機嫌そうに呟く、その指が一瞬頬に触れて、その冷たさに身が竦んだ。氷みたいな冷たさで、一体どれだけここに立っていたんだろうと不安になる。