年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~

「それより今度の日曜、ちゃんと休み取れたんだろうな?」

「取れたわよ。有給有り余ってるし」

念を押すような祥裄の問いに、仏頂面で返す。
実は先週の日曜日も、休みを取る、と約束していたのに、どうしてもクライアントの都合がつかずに取れなかったのだ。

日曜日、今度は私が祥裄の両親に挨拶に行くことになっている。

祥裄のご両親は、なんというか保守的な感じの人たちで、私も何回か会ったことはあるけれど、女がバリバリ仕事をしているのはあまり歓迎していないようだった。
これまではただの彼女の立場だったから特に言われたことはないけれど、話の雰囲気から察する限り、結婚してからはそうはいかないんだろうな、と思う。

平日休みの私と、一応は土日休みの祥裄とは、これまでも一緒の休みを取るのが難しくて、デートはもっぱら夜だった。
それでも私には不満はなかったけど、これからは土日は休みのシフトにしてもらわないといけないかもしれない。
そうなると、当然やらせてもらえる仕事の質も変わってくる。

祥裄は今まで通りで構わない、と言ってくれているけれど、ご両親の手前、やっぱり何かの配慮はしなければいけないだろう。


結婚って、案外めんどくさい。
……少し前まであんなに結婚したがっていた女の言うセリフではないけれど。


< 189 / 462 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop