年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~


お邪魔しました、と顔に貼り付けた笑顔をなんとか保って、玄関で頭を下げる。
またいつでも遊びに来てね、とにこにこ見送ってくださる祥裄のご両親に何度も頭を下げて、車に乗り込むとようやく、肩に入っていた力が抜けた。


助手席でぐたっと窓に寄りかかって、ふーっと息を吐く。
お二人とも親切だし、私を歓迎してくれているのは伝わる。なにがそんなに疲れるんだと聞かれたら答えに困るのだけど、祥裄の家を訪ねるのは私にとってはすごく気力を使うことなのだ。

運転席の祥裄は、苦笑いで私を見やって、お疲れさん、と私の頭に軽く手を置いた。


走り出した車は私の家に向かう。うちのほうが広いので、どちらかの家に泊まる時は、圧倒的にうちになることが多い。

祥裄のご両親への挨拶は無事に終わって、式や入籍の時期は二人で好きに決めなさい、と寛大なお言葉を頂いた。

でもやっぱり、結婚してからは私に家庭に入ってもらいたいようで、仕事もいいけど、子供もすぐに考えなきゃね、と釘を刺される。

私の年齢も考えたら言われても仕方ないけど、なんとなくプレッシャーだ。
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