年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
部屋に入ってソファにばったり倒れこむと、祥裄がお義父さんから奪ってきた日本酒と、切子のお猪口を持ってきた。おつまみはこれまたお義母さんに頂いたチーズの盛り合わせ。
運転する祥裄はお酒なんて飲めないし、私はお義父さんに付き合ってそれなりに飲んだけど、味なんてあんまりわからなかった。
二人でちっちゃく乾杯して、ぐいっと飲み干す。
喉を灼くアルコールの感覚がたまらなくて、ついペースが早くなりかけるのをぐっとこらえて、私は話を切り出した。
「ねえ祥裄。私、絵里ちゃんに頼まれたんだけど」
チーズを口に放り込んでいた手を止めて、祥裄が私を見る。
「なんだよ、いきなり絵里の名前なんか持ち出して。俺はきっちり別れたぞ?」
「その別れ方が問題なの。あんた、絵里ちゃんが話をしたいって言ってるのに、取り合ってあげてないんだって?」
軽く睨むように見返す私に、むっとした顔を向けた。
「もう話すことなんて何もないだろ」
「それはあんただけでしょ。絵里ちゃんは、きちんとあんたに気持ちを伝えたいんだって。ねえ、一回だけでいいから、二人で話、してきなよ」
私がそう言うと、祥裄が面白くなさそうに目を細めて、お猪口をテーブルに置く。
運転する祥裄はお酒なんて飲めないし、私はお義父さんに付き合ってそれなりに飲んだけど、味なんてあんまりわからなかった。
二人でちっちゃく乾杯して、ぐいっと飲み干す。
喉を灼くアルコールの感覚がたまらなくて、ついペースが早くなりかけるのをぐっとこらえて、私は話を切り出した。
「ねえ祥裄。私、絵里ちゃんに頼まれたんだけど」
チーズを口に放り込んでいた手を止めて、祥裄が私を見る。
「なんだよ、いきなり絵里の名前なんか持ち出して。俺はきっちり別れたぞ?」
「その別れ方が問題なの。あんた、絵里ちゃんが話をしたいって言ってるのに、取り合ってあげてないんだって?」
軽く睨むように見返す私に、むっとした顔を向けた。
「もう話すことなんて何もないだろ」
「それはあんただけでしょ。絵里ちゃんは、きちんとあんたに気持ちを伝えたいんだって。ねえ、一回だけでいいから、二人で話、してきなよ」
私がそう言うと、祥裄が面白くなさそうに目を細めて、お猪口をテーブルに置く。