年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
まだ納得いかなさそうに見上げてくる咲さんにマスターの手が伸びて、パチン、とデコピンした。
「痛っ」
「大輔も沙羽ちゃんも、それから祥裄も。みんなすっきり前に進むためには、もう一回沙羽ちゃんと大輔が腹割って話さなきゃ駄目だと俺は思うよ?」
咲さんから視線を私に移して、諭すように言った。でも、と私は反論する。
「もう今更話したって無駄でしょう? 大輔くんだってもう新しい恋をみつけたんだし……」
「えっ? 新しい恋? 大輔に?」
咲さんが完全に初耳だというふうに声を上げた。やっぱり誰にも言っていないらしい。
これは詳しく話してはまずそうだ、と曖昧にごまかすことにする。
「うん、なんか、そんな雰囲気のことを聞いたから……」
「有り得ませんよ、そんなこと。いくら片桐さんに振られたからって、そんなすぐに次の彼女、なんて、大輔に限って有り得ない」
咲さんははっきり否定するけれど、だって私は本人に直接言われたのだ。これ以上確かな情報はない。
「まあ、それも含めて。やっぱり大輔と一度話すべきだ」
マスターが重ねてそう言ってくる。
「痛っ」
「大輔も沙羽ちゃんも、それから祥裄も。みんなすっきり前に進むためには、もう一回沙羽ちゃんと大輔が腹割って話さなきゃ駄目だと俺は思うよ?」
咲さんから視線を私に移して、諭すように言った。でも、と私は反論する。
「もう今更話したって無駄でしょう? 大輔くんだってもう新しい恋をみつけたんだし……」
「えっ? 新しい恋? 大輔に?」
咲さんが完全に初耳だというふうに声を上げた。やっぱり誰にも言っていないらしい。
これは詳しく話してはまずそうだ、と曖昧にごまかすことにする。
「うん、なんか、そんな雰囲気のことを聞いたから……」
「有り得ませんよ、そんなこと。いくら片桐さんに振られたからって、そんなすぐに次の彼女、なんて、大輔に限って有り得ない」
咲さんははっきり否定するけれど、だって私は本人に直接言われたのだ。これ以上確かな情報はない。
「まあ、それも含めて。やっぱり大輔と一度話すべきだ」
マスターが重ねてそう言ってくる。