年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「なにっ」
「祥裄さんが連絡くれました。私、ちゃんと、本気でぶつかること、できましたから。
もう吹っ切れました、これからは沙羽先輩の応援します。どうか、どうか幸せになってください」
ちゃんと祝福しますからぁ、と最後は涙目になりながら抱きついてきた。その背中をよしよしと宥めながら、気持ちにケリをつけられたんなら良かったな、とほっとする。
あれから祥裄から絵里ちゃんの名前が一切出てこなくて、どうなったんだろうと少し心配だったけど、ちゃんと会って話ができたらしい。
「なんなんですか、このツーショット。結局は元に戻って丸く収まった、ってことでいいんですか?」
「うん、まあ、そうみたいだね……」
曖昧に笑う私に、絵里ちゃんががばっと身を起こして詰めよってくる。
「式、もういつするか決まったんですか? 私も呼んでくださいね? ね?」
「絵里ちゃん、まだそういう話は……」
式の話なんてこんなところでしてくれるな、と慌てて遮ろうとすると、どうやら聞き耳を立てていたらしい平山さんが、斜め向かいから声をかけてきた。