年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
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◇
見ごたえのある喧嘩をしていた、その当の本人と一緒に戻って来た私を見て、明日香ちゃんが珍しくぽかんとした顔をした。
「え? え? 沙羽先輩の、お友達……?」
「お友達、ってわけじゃないんだけど。知り合いだった」
「お騒がせしてすみません」
辻井さんが眉をひそめて頭を下げると、明日香ちゃんは高速で首を横に振って、いいえいいえと繰り返す。
「片桐さんを、お借りしてもいいですか?」
「あ、はい、どうぞどうぞ、ごゆっくり。私は一人で飲んで帰るのでっ」
ごめんね、と謝る私に、明日香ちゃんが耳打ちする。
「今度詳しく話をきかせてもらいますからね?」
明日香ちゃんの情報欲に火がついてしまったらしい。
私が知っていることなんてたかがしれているけれど、それで明日香ちゃんは満足してくれるだろうか。
見ごたえのある喧嘩をしていた、その当の本人と一緒に戻って来た私を見て、明日香ちゃんが珍しくぽかんとした顔をした。
「え? え? 沙羽先輩の、お友達……?」
「お友達、ってわけじゃないんだけど。知り合いだった」
「お騒がせしてすみません」
辻井さんが眉をひそめて頭を下げると、明日香ちゃんは高速で首を横に振って、いいえいいえと繰り返す。
「片桐さんを、お借りしてもいいですか?」
「あ、はい、どうぞどうぞ、ごゆっくり。私は一人で飲んで帰るのでっ」
ごめんね、と謝る私に、明日香ちゃんが耳打ちする。
「今度詳しく話をきかせてもらいますからね?」
明日香ちゃんの情報欲に火がついてしまったらしい。
私が知っていることなんてたかがしれているけれど、それで明日香ちゃんは満足してくれるだろうか。