年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
このくらい払っときますよ、と拒む明日香ちゃんに無理やりお札を握らせて、辻井さんと二人で店を出る。
店にいる間、そこはかとなくつきまとっていた他のお客さんの視線が途切れて、知らぬ間にため息が漏れた。そんな私の様子を見て、辻井さんがまた申し訳なさそうに言う。
「僕といたせいで居心地悪かったでしょう? すみません」
今日は謝られてばかりな気がする。元はと言えば私が野次馬根性を出して覗き見したから悪いのに、と私のほうこそ申し訳なくなった。
そう言う辻井さんは、周りの視線をあまり気にしていないようだった。この顔だし、喧嘩なんてしなくても人目を引くことが多いだろうから、人に見られることは慣れているのかもしれない。
辻井さんが入って行ったのは、少し歩いた先の小さなバーだった。小さく掲げられている看板がかろうじてバーであることを示しているけど、一見では入りにくそうなお店。
店にいる間、そこはかとなくつきまとっていた他のお客さんの視線が途切れて、知らぬ間にため息が漏れた。そんな私の様子を見て、辻井さんがまた申し訳なさそうに言う。
「僕といたせいで居心地悪かったでしょう? すみません」
今日は謝られてばかりな気がする。元はと言えば私が野次馬根性を出して覗き見したから悪いのに、と私のほうこそ申し訳なくなった。
そう言う辻井さんは、周りの視線をあまり気にしていないようだった。この顔だし、喧嘩なんてしなくても人目を引くことが多いだろうから、人に見られることは慣れているのかもしれない。
辻井さんが入って行ったのは、少し歩いた先の小さなバーだった。小さく掲げられている看板がかろうじてバーであることを示しているけど、一見では入りにくそうなお店。