年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
またパチン、と蓋が閉まって、揺らいだ炎が掻き消える。
「少し、大輔に似ている気がします」
「……大輔くんに?」
「はい」
沈黙したジッポーを、ぎゅっと握り込む。
「多分大輔みたいにきれいなばっかりじゃないんです。どこかに汚い感情も、醜い部分も持ってる。でも、どんな感情も呑み込んで、受け止める大きさがあるんです。だから俺は、あの子の前では安心して素のままの自分でいられる」
握り込んだ手をじっと見つめていた。その左手の薬指に光る、シルバーのリングを。
「もともと感情ではなく利害関係で結婚したんです。結婚なんて誰としたって同じだと、当時の俺は本気でそう思ってた。
でも今はすごく後悔してます。紙切れ一枚の契約が、こんなに重く感じるなんて」
俯き加減のその横顔は、痛みをこらえているような、辛そうな表情だった。穏やかさで取り繕わない、感情がむき出しの。
「少し、大輔に似ている気がします」
「……大輔くんに?」
「はい」
沈黙したジッポーを、ぎゅっと握り込む。
「多分大輔みたいにきれいなばっかりじゃないんです。どこかに汚い感情も、醜い部分も持ってる。でも、どんな感情も呑み込んで、受け止める大きさがあるんです。だから俺は、あの子の前では安心して素のままの自分でいられる」
握り込んだ手をじっと見つめていた。その左手の薬指に光る、シルバーのリングを。
「もともと感情ではなく利害関係で結婚したんです。結婚なんて誰としたって同じだと、当時の俺は本気でそう思ってた。
でも今はすごく後悔してます。紙切れ一枚の契約が、こんなに重く感じるなんて」
俯き加減のその横顔は、痛みをこらえているような、辛そうな表情だった。穏やかさで取り繕わない、感情がむき出しの。