年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
風に吹かれながら、考えるのはあの日辻井さんが言ったこと。
周りではなく自分が譲れないもの。後悔しない選択を。
あのあと、店に戻るという辻井さんは、ついでに私も家までタクシーで送ってくれた。その車内で、大輔くんの気持ちが知りたいけど、会う勇気が出ない、とこぼした私に、少し考えた後、じゃあ、と悪戯めいた笑みを浮かべた。
「大輔の本音が聞きたいだけなら。協力しますよ」
その言い方がどこか意地悪げで、やっぱりこの人、ちょっとSっ気ありそう、と思った。
また後で連絡します、と言われた通り、次の日
の夜、約束通りノーブルの番号から電話がかかってきた。出てみたら辻井さんで、明後日の夜九時に、シェリーに来てくださいと告げられる。
それが、今日。大輔くんの本音を聞いて、納得して、ちゃんと吹っ切れるだろうか。
今週末の日曜の夜には、祥裄が約束通り、ホテルの最上階のレストランを予約してくれた。
気合い入れてきれいなカッコしてこいよ、と浮かれて話す祥裄の声が耳に残って離れない。これ以上祥裄を不安にさせることはできない、と思う。
周りではなく自分が譲れないもの。後悔しない選択を。
あのあと、店に戻るという辻井さんは、ついでに私も家までタクシーで送ってくれた。その車内で、大輔くんの気持ちが知りたいけど、会う勇気が出ない、とこぼした私に、少し考えた後、じゃあ、と悪戯めいた笑みを浮かべた。
「大輔の本音が聞きたいだけなら。協力しますよ」
その言い方がどこか意地悪げで、やっぱりこの人、ちょっとSっ気ありそう、と思った。
また後で連絡します、と言われた通り、次の日
の夜、約束通りノーブルの番号から電話がかかってきた。出てみたら辻井さんで、明後日の夜九時に、シェリーに来てくださいと告げられる。
それが、今日。大輔くんの本音を聞いて、納得して、ちゃんと吹っ切れるだろうか。
今週末の日曜の夜には、祥裄が約束通り、ホテルの最上階のレストランを予約してくれた。
気合い入れてきれいなカッコしてこいよ、と浮かれて話す祥裄の声が耳に残って離れない。これ以上祥裄を不安にさせることはできない、と思う。