年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
カチン、と一度強い音がして、それきり止んだ。
しばらくまた、沈黙が降りる。
「……諦めきれんの?」
辻井さんが静かに言った。
「諦めます」
大輔くんも同じようなトーンで言う。
「じゃあなんでノーブルから離れたがる?」
「……」
「片桐さんの気配を感じるのが嫌なんだろ? 今だって会いたくてたまんないんじゃないのか?」
「……」
「お前と片桐さんの関係がどこまで進んだのかは知らないけど。手に入らないと思えば思うほど欲しくなるぞ。憧れの女神さまが生身の女だって気付かされて、また中坊の初恋に戻れるほどお前だって純情じゃないだろ?」
「……会いたいですよ」
無理やり絞り出されたような、大輔くんの掠れた声。
「会いたい。声が聞きたい。髪を撫でて、肌に触れて、めちゃくちゃになるまで抱き潰したい」
しばらくまた、沈黙が降りる。
「……諦めきれんの?」
辻井さんが静かに言った。
「諦めます」
大輔くんも同じようなトーンで言う。
「じゃあなんでノーブルから離れたがる?」
「……」
「片桐さんの気配を感じるのが嫌なんだろ? 今だって会いたくてたまんないんじゃないのか?」
「……」
「お前と片桐さんの関係がどこまで進んだのかは知らないけど。手に入らないと思えば思うほど欲しくなるぞ。憧れの女神さまが生身の女だって気付かされて、また中坊の初恋に戻れるほどお前だって純情じゃないだろ?」
「……会いたいですよ」
無理やり絞り出されたような、大輔くんの掠れた声。
「会いたい。声が聞きたい。髪を撫でて、肌に触れて、めちゃくちゃになるまで抱き潰したい」