年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
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◇
ざあっと吹き付けてくる海風は、どこか懐かしい香りがする。
実家が海のそばだったからか、潮の香りは嫌いじゃない。車で三十分ほど走っただけなのに、空気が全く違った。普段感じている喧騒が遠ざかって、のんびりした気持ちになる。
「なーんかいいよねえ、この雰囲気。ちょっと疲れた時に、一休みしに来たくなっちゃうよね」
車にもたれながら、道路の先に見える海岸線を眺めていた私の隣に並んで、竹田さんも同じように海に目を向ける。
「出来上がるの楽しみねえ。仕事に煮詰まったら逃げてきたいわ」
「疲れた時にほっと一息つけるような、避難場所みたいな店にしたい、って高城さんも言ってましたよ」
まだ建物の形が見えてきたばかりだけど、そんな場所になるんだろうなあ、という予感をひしひしと感じさせるロケーションだった。
ざあっと吹き付けてくる海風は、どこか懐かしい香りがする。
実家が海のそばだったからか、潮の香りは嫌いじゃない。車で三十分ほど走っただけなのに、空気が全く違った。普段感じている喧騒が遠ざかって、のんびりした気持ちになる。
「なーんかいいよねえ、この雰囲気。ちょっと疲れた時に、一休みしに来たくなっちゃうよね」
車にもたれながら、道路の先に見える海岸線を眺めていた私の隣に並んで、竹田さんも同じように海に目を向ける。
「出来上がるの楽しみねえ。仕事に煮詰まったら逃げてきたいわ」
「疲れた時にほっと一息つけるような、避難場所みたいな店にしたい、って高城さんも言ってましたよ」
まだ建物の形が見えてきたばかりだけど、そんな場所になるんだろうなあ、という予感をひしひしと感じさせるロケーションだった。