年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
どうしようと思いながらデスクに戻ると、後ろから声をかけられた。
「沙羽先輩。あの、ここ教えて欲しいんですけど……」
声をかけてきたのは絵里ちゃんだった。差し出してきたものは、なんと問題集。
「……部長になにか言われた?」
勉強してるなんて信じられない、と思わずまじまじと顔を見上げると、絵里ちゃんは頬を膨らませる。
「最近真面目に勉強してるんですよ。私だってちゃんと、誰かに頼ってもらえる人間になりたいんです。沙羽先輩みたいに」
その言葉の通り、問題集にはたくさんの書き込みがしてあった。丸っこい字が努力を伝えてくる。
「ちゃんと自立した女にならなきゃ、祥裄さんみたいな人には相手してもらえないんだ、ってようやく気付いたんです。もっと頑張らなきゃ」
そう言う目は真剣で、あの頼りない雰囲気の中に少しだけ、きりっとした空気を漂わせ初めている。
「沙羽先輩。あの、ここ教えて欲しいんですけど……」
声をかけてきたのは絵里ちゃんだった。差し出してきたものは、なんと問題集。
「……部長になにか言われた?」
勉強してるなんて信じられない、と思わずまじまじと顔を見上げると、絵里ちゃんは頬を膨らませる。
「最近真面目に勉強してるんですよ。私だってちゃんと、誰かに頼ってもらえる人間になりたいんです。沙羽先輩みたいに」
その言葉の通り、問題集にはたくさんの書き込みがしてあった。丸っこい字が努力を伝えてくる。
「ちゃんと自立した女にならなきゃ、祥裄さんみたいな人には相手してもらえないんだ、ってようやく気付いたんです。もっと頑張らなきゃ」
そう言う目は真剣で、あの頼りない雰囲気の中に少しだけ、きりっとした空気を漂わせ初めている。