年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「絶対弱音を吐かないところが好きだ。
そのくせ一人で泣いてるような、弱いところも好きだ。
責任感が強くて、頑張り屋なところが好きだ。
仕事中に楽しそうに笑ってる顔も、俺と二人でいる時のリラックスした笑顔も、酔っ払ってフワフワしてる顔も、全部好きだ」
そこでふっと照れたように笑う。
「ダメだ、小っ恥ずかしすぎる。本当に歯が浮いてきた」
その珍しい照れた表情に、私もつられて笑い出す。
「ずっとお前の中のあいつの影を追い払いたかったけど。どうしてもできなかったな」
そう言って私を見つめる目はとても穏やかで。
「もう一回、選ばせてやる。今度はちゃんとお前の意思で、答えてくれ」
その穏やかな目のまま、すっとリングを私の前に差し出した。