年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
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◇
しんとした静寂。車もあまり通らない、大通りから一本入った路地裏。
周りは住宅ばかりで、昼間なら住人が歩いていたりするのだろうけど、今の時間では通りがかる人すらいない。
ちょうど私の会社の真裏を通る道だった。もうかれこれ七年働いている私でも、数回しか通ったことのないような道。
辻井さんに言われた通り、大通りを公園を目印に曲がって進んでいく。しばらく道なりに進むと、頼りない街灯の明かりに照らされて、ぼんやりと光を放つ自動販売機が見えてきた。
その影に隠れるように置かれたベンチの上に、寝転がって両手を空に向かって伸ばしている姿があった。
――片桐さんの会社の裏のベンチ。大輔が落ち込んだ時に、必ず行く場所です。
こんなところにベンチがあることすら、全く意識していなかったけど。
本当に、いた。
駆け足が早歩きになり、ゆっくりになって、ベンチまであと数メートルのところで自然と足が止まった。ここまで走ってきたせいであがってしまった息を、ゆっくりと整える。
しんとした静寂。車もあまり通らない、大通りから一本入った路地裏。
周りは住宅ばかりで、昼間なら住人が歩いていたりするのだろうけど、今の時間では通りがかる人すらいない。
ちょうど私の会社の真裏を通る道だった。もうかれこれ七年働いている私でも、数回しか通ったことのないような道。
辻井さんに言われた通り、大通りを公園を目印に曲がって進んでいく。しばらく道なりに進むと、頼りない街灯の明かりに照らされて、ぼんやりと光を放つ自動販売機が見えてきた。
その影に隠れるように置かれたベンチの上に、寝転がって両手を空に向かって伸ばしている姿があった。
――片桐さんの会社の裏のベンチ。大輔が落ち込んだ時に、必ず行く場所です。
こんなところにベンチがあることすら、全く意識していなかったけど。
本当に、いた。
駆け足が早歩きになり、ゆっくりになって、ベンチまであと数メートルのところで自然と足が止まった。ここまで走ってきたせいであがってしまった息を、ゆっくりと整える。