年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
◇◇◇

部屋に入って扉がしまった途端に、彼の手が私の肩に伸びて、ぐっとドアに押し付けられる。

目を閉じる暇もなく彼の顔が近づいてきて、唇が押し付けられる。


噛み付くように激しく、息ができないくらいに深く。


長いキスに足から力が抜けそうになって、座り込まないように彼の腕にすがりつく。思わず爪を立ててしまったところでようやく、彼が唇を離した。


ぐいっと抱き寄せられて、耳元で囁かれた声には隠しようもない欲望が滲み出ていた。


「ごめん、俺、ちょっと余裕ない」


彼の余裕をこんなにも奪っているのは私だと、その事実が私のからだも熱くさせる。


「私も。全然余裕ない」


私もそう囁くと、彼が体を離して私の顔を覗き込んだ。

目を合わせて、真剣な顔で問う。


「いいの?」


私はその頬に手を伸ばした。


「うん。……もっと大輔くんに近づきたい」



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