年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「夢みたいだ。沙羽さんにこうやって触れられるなんて」
キスの合間に彼が囁く。
愛おしげに見つめられて、からだの奥がズクリと疼く。
彼の肌と、私の肌と。触れ合ったところから溶け合って、どんどんひとつになってゆく。
沙羽さん、と大輔くんは何度も私の名前を呼んだ。その大好きな響きに応えるように、私も何度も彼の名前を呼んだ。
こころもからだも、すべてが彼で満たされる。暖かな安心感に包まれて、とろとろにとろけてゆく。
「大好き」
何も考えられなくなりながら、うわごとのように囁くと、彼がとびきりの笑顔を浮かべて私の耳元に唇を寄せた。
「俺も。……愛してます」
そう言った彼の表情はどこか照れくさそうで、熱に浮かされた意識の片隅で、ああやっぱり大輔くんだ、となんだか嬉しく思った。