年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
◇
髪を撫でる指の感触を感じながら、しばらく彼の腕の中でまどろんでいた。
「ねえ?」
「はい?」
私が問いかけると、指の動きは止めずに、大輔くんが柔らかな声で答えた。
「どうしてあのベンチにいたの?」
その言葉を聞いた途端に、ぴたっと手の動きが止まる。
「ええっと……」
気まずげに言葉を探す大輔くんに、私は意地悪く質問を重ねる。
「あそこ、私の会社の裏だよね? 周りは家ばっかりだったし、特に用があるとは思えないけど」
心の中で笑いながら、上辺は何も知らないフリを装った。
「あの。その。……すみません」
「なんで謝るの?」
「その、ですね……俺、時々見てたんです。あそこから、沙羽さんのこと」
ものすごく申し訳なさそうに、彼が体をずらして私の顔を覗き込んだ。
髪を撫でる指の感触を感じながら、しばらく彼の腕の中でまどろんでいた。
「ねえ?」
「はい?」
私が問いかけると、指の動きは止めずに、大輔くんが柔らかな声で答えた。
「どうしてあのベンチにいたの?」
その言葉を聞いた途端に、ぴたっと手の動きが止まる。
「ええっと……」
気まずげに言葉を探す大輔くんに、私は意地悪く質問を重ねる。
「あそこ、私の会社の裏だよね? 周りは家ばっかりだったし、特に用があるとは思えないけど」
心の中で笑いながら、上辺は何も知らないフリを装った。
「あの。その。……すみません」
「なんで謝るの?」
「その、ですね……俺、時々見てたんです。あそこから、沙羽さんのこと」
ものすごく申し訳なさそうに、彼が体をずらして私の顔を覗き込んだ。