年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
5 はじまりのはじまり side 大輔
◆
『また休み潰れたって、どういうことっ?』
電話の向こうで響く彼女の声は、たいそうご立腹だった。
「だからごめんって。講習会があるの忘れてたんだよ。仕方ないだろ、新人の分際で欠席するわけにもいかないし」
『でもこの前も練習で約束すっぽかしたよね? もう何回目なの?』
「何回目って……」
その前はミーティングで潰れたし、その前はもともと時間の都合がつかなかったし……。
『私と会いたいっていう気があるの? 私のために時間作ろうって気、ある?』
「だから夜に会いに行ったりしてるじゃん」
『私が寝てからそろーっと来て、ただ横で寝てるだけじゃない』
「だって、起こしちゃ悪いかと思って」
『じゃあ寝る前に来ればいいでしょっ』
そんなこと言われたって、練習が終わらないんだから仕方ないじゃないか。夜だって疲れてるのにわざわざ会いに行って、それなのに起きてくれすらしないのはお前の方だろ――。
『また休み潰れたって、どういうことっ?』
電話の向こうで響く彼女の声は、たいそうご立腹だった。
「だからごめんって。講習会があるの忘れてたんだよ。仕方ないだろ、新人の分際で欠席するわけにもいかないし」
『でもこの前も練習で約束すっぽかしたよね? もう何回目なの?』
「何回目って……」
その前はミーティングで潰れたし、その前はもともと時間の都合がつかなかったし……。
『私と会いたいっていう気があるの? 私のために時間作ろうって気、ある?』
「だから夜に会いに行ったりしてるじゃん」
『私が寝てからそろーっと来て、ただ横で寝てるだけじゃない』
「だって、起こしちゃ悪いかと思って」
『じゃあ寝る前に来ればいいでしょっ』
そんなこと言われたって、練習が終わらないんだから仕方ないじゃないか。夜だって疲れてるのにわざわざ会いに行って、それなのに起きてくれすらしないのはお前の方だろ――。