年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
後悔しない、恋のために
◇
シャキン、シャキン、と。ハサミを動かす音が響く。
鏡越しに見る大輔くんの表情は、いつになく真剣で。でも迷いなく動かしていく手つきには、緊張は見られない。
見守る辻井さんは、一言も言葉を発さなかった。ただ静かに、大輔くんの手つきを見つめている。
たまに鏡越しに私と目が合うと、大輔くんは少し力が抜けたように、ふわっと笑った。
平気そうに見えても、やっぱり内心は相当緊張しているのかもしれない。
落ちていく髪の毛とともに、頭が軽くなっていく。鏡に映る自分は、もしかしたら人生で一番髪が短いかもしれない。
ばっさりショート、の約束を、大輔くんはきちんと守ってくれた。彼の手によって変身していった、今日がその最終段階。
プラス、大輔くんのスタイリストへの昇格試験を兼ねていた。
切り終わるといつも通りシャンプーして、ブローして、スタイリングする。彼が手を離した後に現れたのは、ナチュラルな中に強さを感じる、女らしい私だった。
シャキン、シャキン、と。ハサミを動かす音が響く。
鏡越しに見る大輔くんの表情は、いつになく真剣で。でも迷いなく動かしていく手つきには、緊張は見られない。
見守る辻井さんは、一言も言葉を発さなかった。ただ静かに、大輔くんの手つきを見つめている。
たまに鏡越しに私と目が合うと、大輔くんは少し力が抜けたように、ふわっと笑った。
平気そうに見えても、やっぱり内心は相当緊張しているのかもしれない。
落ちていく髪の毛とともに、頭が軽くなっていく。鏡に映る自分は、もしかしたら人生で一番髪が短いかもしれない。
ばっさりショート、の約束を、大輔くんはきちんと守ってくれた。彼の手によって変身していった、今日がその最終段階。
プラス、大輔くんのスタイリストへの昇格試験を兼ねていた。
切り終わるといつも通りシャンプーして、ブローして、スタイリングする。彼が手を離した後に現れたのは、ナチュラルな中に強さを感じる、女らしい私だった。