年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~

「結構バッサリいっちゃいました。潰れやすい髪質なので、動きが出やすいようにしてあります」

大輔くんが後ろを鏡で見せながら、説明してくれる。

「ずっと長かったからちょっと心配だったけど、思ってたより全然似合うね、私にも。可愛い!」

勝手に笑みがこぼれる。見慣れないけど、新鮮な可愛さがあった。

「沙羽さん、頭の形がきれいだからショートも絶対似合うんですよ。……もったいなかったけど」

ショートにすることはもう反対しなかったけど、もったいないなあ、とはずっとぼやいていた。今も惜しむように、襟足の髪を少しつまんで、遊んでいる。

「すっきりしたよ。ありがと」

お礼を言うと、大輔くんも満足そうに笑い返してくれた。

それから、一転して緊張した面持ちで、私たちのやり取りを笑って見ていた辻井さんに向かい合う。
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