年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~

「先月、くらいからです。その前からずっと相談には乗ってもらってたんですけど」
「相談？」
「先輩には関係ないです」

そりゃそうね、と思いながら、先月という言葉にほっとした。
ずっと浮気されていたというよりは、心変わりされたのだと思うほうがまだ傷は浅い気がする。

「とにかく、もう木下さんに近づかないでください。先輩と別れた以上、今の彼女は私ですから」

そう言って絵里ちゃんは去っていった。その後ろ姿がどこか誇らしげに見えるのは、勘違いじゃないだろう。

もう明日くらいには、祥裄が私と別れて絵里ちゃんと付き合いだしたって噂が社内中に広がるんだろうなあ、と憂鬱な気持ちになった。