年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「まだはっきりと、自信を持って沙羽さんを幸せにします、とは言えません。でも、これから必死で頑張ります。それで、一日も早く、誰からも認められるスタイリストになりますから」
ぎゅっと手に力をこめて、私の手を握る。
「自信が持てたら、ちゃんと言います。……それまで、待っててもらえますか?」
「……それって、プロポーズの予約、ってこと?」
「はい」
頷く大輔くんの目は真剣だ。もう離れないでって私から言ったのに、真面目な彼はきちんと言葉にしてくれる。必ずプロポーズするからと。だから待っていて、と。
「大輔くんこそ、ほんとに私でいいの? その頃にはもう、私なんかきっとただのおばさんになってるよ? もしかしたら他に、同い年の好きな子ができるかも……」
「バカなこと言わないでください。沙羽さんはいくつになっても沙羽さんです。俺の気持ちだって変わらない」
そうはっきりと断言するけれど、先のことなんて誰にもわからない。
私より彼に相応しい人が、いつか現れるかもしれない、という不安は消えない。