年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
でも、今、お互いにお互いを求めていることは事実。
それだけで十分だと思う。
幸せは形じゃないんだと、私は知った。
周りからどう見えようと、自分の気持ちに正直に、思いのままに進むこと。
大輔くんの声も気配も、私を素直にさせてくれる。ゆるゆるとかたくなな心が溶けて、悲しいことや辛いことがあっても、ただ優しく包んでくれる。
大輔くんにとっての私も、そんな存在でありますように。
包まれた手を、そっと動かす。今度は私が、彼の手を包み込んだ。
「ずっとそばにいるから。ちゃんと大輔くんが頑張れるように」
彼の目が、さらに柔らかな光をたたえた。