年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
◇
「ねえ、あんた、私が子持ちだってことわかってるのよね?」
「わかってる。だから今日はお酒はナシ。早く帰っていいから」
また呼び出されて不機嫌な顔をしながらも、断らずに来てくれる辺り、瑞香っていいヤツだなと思う。瑞香以上に私のことをわかってくれてる人なんて、そうそういない。
「で? 考え直してあんたもうるうるおめめしてみることにしたの?」
「ううん、祥裄のことはもういいや。はっきりトドメ刺されたから」
給湯室の会話を話すと、瑞香の顔がどんどん険しくなっていった。
「その女、想像以上にやるわね。あんたには太刀打ちできないかも」
「まあ、なんかもう張り合える気もしないしさ。もういいか、って」
「なによ、えらくあっさり引き下がるのね。あんたそれでいいの?」
瑞香が不満気な表情を浮かべる。
確かに私も、もっともっと深い痛手を引きずるかと思ったけど、今はもうそんなに落ち込んでいない。それよりもその痛みを塗り替えるような戸惑いでいっぱいで、どっちかといえば今日は、それを相談したかったのだ。
「ねえ、あんた、私が子持ちだってことわかってるのよね?」
「わかってる。だから今日はお酒はナシ。早く帰っていいから」
また呼び出されて不機嫌な顔をしながらも、断らずに来てくれる辺り、瑞香っていいヤツだなと思う。瑞香以上に私のことをわかってくれてる人なんて、そうそういない。
「で? 考え直してあんたもうるうるおめめしてみることにしたの?」
「ううん、祥裄のことはもういいや。はっきりトドメ刺されたから」
給湯室の会話を話すと、瑞香の顔がどんどん険しくなっていった。
「その女、想像以上にやるわね。あんたには太刀打ちできないかも」
「まあ、なんかもう張り合える気もしないしさ。もういいか、って」
「なによ、えらくあっさり引き下がるのね。あんたそれでいいの?」
瑞香が不満気な表情を浮かべる。
確かに私も、もっともっと深い痛手を引きずるかと思ったけど、今はもうそんなに落ち込んでいない。それよりもその痛みを塗り替えるような戸惑いでいっぱいで、どっちかといえば今日は、それを相談したかったのだ。