年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「前は普通にシャンプーとか入ってましたけど、最近は全部タケさんがやってるし。やっぱり気付く前と気付いた後じゃ気持ち的に違うんです。髪だけとは言え、触ってすみませんって感じ……」
「じゃあなんでその子がわざわざ練習台になるの? 葉月ちゃんだって髪長いじゃない」
「葉月の髪はもう何回も借りてるから、タケさんがちょっと緊張感あったほうが本番っぽくていいだろ、って。でも絶対半分くらいは、俺が焦るの見て楽しむつもりなんですよ」
うー、と呻いている様子は若干かわいそうだけど、その理由を聞いてなんだか納得してしまった。意地悪バージョンの辻井さんの本領発揮、ってとこか。
もう一人の練習台は、お店で見かけたことだけはある、あのきれいなサロンモデルさん。
綾川花千(あやかわかゆき)さん、という名前の、辻井さんの「大事な人」だった。
「じゃあなんでその子がわざわざ練習台になるの? 葉月ちゃんだって髪長いじゃない」
「葉月の髪はもう何回も借りてるから、タケさんがちょっと緊張感あったほうが本番っぽくていいだろ、って。でも絶対半分くらいは、俺が焦るの見て楽しむつもりなんですよ」
うー、と呻いている様子は若干かわいそうだけど、その理由を聞いてなんだか納得してしまった。意地悪バージョンの辻井さんの本領発揮、ってとこか。
もう一人の練習台は、お店で見かけたことだけはある、あのきれいなサロンモデルさん。
綾川花千(あやかわかゆき)さん、という名前の、辻井さんの「大事な人」だった。