年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
烏龍茶のコップを差し出すと、沙羽さんがサンキュ、と笑う。一気に飲み干したところを見ると、外は相当暑かったんだろう。
その勢いに圧倒されつつ空のコップを引き取りながら、タケさんが俺を見て言った。
「花千、ちょっと遅くなるかもって言ってたから。先に鈴坂(すずさか)さんのアレンジから始めようか」
鈴坂さん、は、ずっとタケさんを指名しているお客さんで、今は大学院の二年生。本店からノーブルまでついて来てくれた、大事なお客さんだ。この夏、ばっさりと髪を切って、ちょうど今の沙羽さんと同じくらいの長さになっている。
遠距離恋愛中の彼氏と花火大会デートをするのだそうで、浴衣の着付けとヘアセットを依頼してきた。
その勢いに圧倒されつつ空のコップを引き取りながら、タケさんが俺を見て言った。
「花千、ちょっと遅くなるかもって言ってたから。先に鈴坂(すずさか)さんのアレンジから始めようか」
鈴坂さん、は、ずっとタケさんを指名しているお客さんで、今は大学院の二年生。本店からノーブルまでついて来てくれた、大事なお客さんだ。この夏、ばっさりと髪を切って、ちょうど今の沙羽さんと同じくらいの長さになっている。
遠距離恋愛中の彼氏と花火大会デートをするのだそうで、浴衣の着付けとヘアセットを依頼してきた。