年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~

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大輔くんはやっぱり、美容師さんの仕事が好きなんだと思う。
手を動かしている時はいつも、楽しそうに目をきらきらさせているから。

何故だか最初は難しい顔をしていたけど、髪を触り始めるとすぐにいつもの顔に変わった。集中している大輔くんの顔を見てるのが好きで、あんまり邪魔をしないように口をつぐんで、いつも鏡越しにじっくり観察してしまう。

今日も辻井さんは極力手を出さないようだ。少し離れたところから静かに見つめていて、さっきちらっと様子を窺った時は、控えめに、でも満足そうに微笑んでいた。
見守る、って言葉がぴったりな表情。

大輔くんの手が器用に動いて、髪の毛一本一本に表情をつけていく。
いつも思うけど、大輔くんの手が動くたびにどんどん雰囲気が変わっていく様は、ホントに魔法をかけられているような気分になる。自分の手で、女の子を可愛くも綺麗にも変えられるんだから、すごくやりがいがある仕事なんだろうな、って思う。