年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
そう尋ねながら携帯を綾川さんに返した。何故だか怒っているような雰囲気で、綾川さんが戸惑っているのがわかる。
私も大輔くんも、あんまり見たことない辻井さんのその雰囲気に圧倒されてしまった。
「なんでって……」
「自分が行きたかったからだろ? 」
綾川さんの表情が、あ、と気まずそうに曇る。
「……えっと」
「一緒に行きたいです、って言うつもりだったんじゃないの?」
そっか、大輔くんがお休みなら辻井さんだってお休みだし、私たちに熱心に勧めるんじゃなくて二人で行けばいい話だよね。
図星をさされたのか、綾川さんが黙り込んで俯いた。
そんな彼女をじっと見つめながら、花千、とさっきより少しだけ和らいだ声で名前を呼ぶ。
「なんで言わなかった? して欲しいことがあったら言えっていつも言ってるだろ?」
「……だって、かおりさんとあかりちゃんを迎えに行かなきゃいけないんでしょう?」
「一日くらいずらせるって言ったよな」
「でも、あかりちゃんはきっと待ってます。お休みの日の時間はまだ、私のために使っちゃいけないと思うから」
「……」
「私は来年でいいです。再来年でも、その次でも、いつでも」
私も大輔くんも、あんまり見たことない辻井さんのその雰囲気に圧倒されてしまった。
「なんでって……」
「自分が行きたかったからだろ? 」
綾川さんの表情が、あ、と気まずそうに曇る。
「……えっと」
「一緒に行きたいです、って言うつもりだったんじゃないの?」
そっか、大輔くんがお休みなら辻井さんだってお休みだし、私たちに熱心に勧めるんじゃなくて二人で行けばいい話だよね。
図星をさされたのか、綾川さんが黙り込んで俯いた。
そんな彼女をじっと見つめながら、花千、とさっきより少しだけ和らいだ声で名前を呼ぶ。
「なんで言わなかった? して欲しいことがあったら言えっていつも言ってるだろ?」
「……だって、かおりさんとあかりちゃんを迎えに行かなきゃいけないんでしょう?」
「一日くらいずらせるって言ったよな」
「でも、あかりちゃんはきっと待ってます。お休みの日の時間はまだ、私のために使っちゃいけないと思うから」
「……」
「私は来年でいいです。再来年でも、その次でも、いつでも」