年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
これから花火が始まるまでは別行動にしようと、集合時間を決めてそこで別れた。綾川さんと沙羽さんが、笑って手を振りあっている。
「たくさん人がいるね」
きょろきょろ周りを見渡しながら歩く沙羽さんの手を、タケさんたちの姿が見えなくなってから、ぎゅっと握った。
「はぐれないでくださいね。
……今日の沙羽さん、いつもよりもっときれいだから」
俺が少し恥ずかしいながらも本心からそう言うと、沙羽さんも照れた様子ではにかんで、うん、と小さく頷いた。
ずらっと並ぶ屋台を冷やかして、いい匂いにつられて焼きそばやたこ焼きなんかを買っては小腹を満たす。定番はもちろん、港町らしく魚介を使ったものなんかもあって、沙羽さんは気になるものは片っ端から買っていた。
残っても全部食べてくれるから、大輔くんといるといろんなもの買えるよね、と笑って言って、結局自分は一口二口で満足して、残りは全部俺にくれた。
普段から思うけど、沙羽さんはもっと食べた方がいい。俺の食欲を分けてあげたいくらいだ。
「たくさん人がいるね」
きょろきょろ周りを見渡しながら歩く沙羽さんの手を、タケさんたちの姿が見えなくなってから、ぎゅっと握った。
「はぐれないでくださいね。
……今日の沙羽さん、いつもよりもっときれいだから」
俺が少し恥ずかしいながらも本心からそう言うと、沙羽さんも照れた様子ではにかんで、うん、と小さく頷いた。
ずらっと並ぶ屋台を冷やかして、いい匂いにつられて焼きそばやたこ焼きなんかを買っては小腹を満たす。定番はもちろん、港町らしく魚介を使ったものなんかもあって、沙羽さんは気になるものは片っ端から買っていた。
残っても全部食べてくれるから、大輔くんといるといろんなもの買えるよね、と笑って言って、結局自分は一口二口で満足して、残りは全部俺にくれた。
普段から思うけど、沙羽さんはもっと食べた方がいい。俺の食欲を分けてあげたいくらいだ。