年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
7
◇
約束の時間にさっき別れた場所に戻ると、辻井さんたちはすでにそこで待っていた。
親しげに話しながら、でも慎重に距離を置いている。
見た人が、二人は恋人かな、ただの友達かな、って一瞬考えてしまうような距離で、もしかして今の別行動の間中、その距離を保っていたんだとしたら、なんだかかわいそうな気がした。
私たちに気付いた綾川さんが、大きく手を振る。
堂々と手を繋げなかったんだとしても、その笑顔は幸せそうだったので、少しほっとした。
綾川さんが先頭に立って、何やら手書きの地図らしいメモを見ながら、こっちです、と案内してくれる。
花火の打ち上げ時間が近付いて、ぞろぞろと海岸に向かっていく人波に逆らうように、大通りを外れていく。
「遠くなる分迫力は薄れるけど、全体がきれいに見渡せるんですって。目玉の水中花火もちゃんと見れるから安心してって言ってました」
「人多そうだし、メインの会場にいたら余計下の方は見えなさそうですもんね」
「すごい綺麗なんだって、水中花火。ばーんって爆発するみたいだって」
綾川さんのすぐ後ろを大輔くんが歩いて、そのあとを私と辻井さんが続く。楽しそうに花火談義で盛り上がる二人を見守っていると、なんとなく気分は妹と弟を見守るお姉ちゃんだ。
約束の時間にさっき別れた場所に戻ると、辻井さんたちはすでにそこで待っていた。
親しげに話しながら、でも慎重に距離を置いている。
見た人が、二人は恋人かな、ただの友達かな、って一瞬考えてしまうような距離で、もしかして今の別行動の間中、その距離を保っていたんだとしたら、なんだかかわいそうな気がした。
私たちに気付いた綾川さんが、大きく手を振る。
堂々と手を繋げなかったんだとしても、その笑顔は幸せそうだったので、少しほっとした。
綾川さんが先頭に立って、何やら手書きの地図らしいメモを見ながら、こっちです、と案内してくれる。
花火の打ち上げ時間が近付いて、ぞろぞろと海岸に向かっていく人波に逆らうように、大通りを外れていく。
「遠くなる分迫力は薄れるけど、全体がきれいに見渡せるんですって。目玉の水中花火もちゃんと見れるから安心してって言ってました」
「人多そうだし、メインの会場にいたら余計下の方は見えなさそうですもんね」
「すごい綺麗なんだって、水中花火。ばーんって爆発するみたいだって」
綾川さんのすぐ後ろを大輔くんが歩いて、そのあとを私と辻井さんが続く。楽しそうに花火談義で盛り上がる二人を見守っていると、なんとなく気分は妹と弟を見守るお姉ちゃんだ。