年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
8 二人の未来
◆
打ち上げられた花火はとてもきれいで、見ごたえのあるものばかりだった。特にラスト、水中花火と打ち上げ花火と、全てが合わさって咲き誇る様は圧巻で、瞬きも呼吸も忘れて見入ってしまった。
ぞろぞろと引き上げていく人波に混ざって、駐車場へ向かう。みんなが歩いて帰路につく姿は、なんとなく物悲しく見えた。
まだ規制がかかっているのか、道はとても渋滞していた。名残惜しむように花火のすごさを語って盛り上がっていた綾川さんと沙羽さんも、きっと慣れない浴衣で疲れたのだろう、次第に静かになって、やがて渋滞を抜ける頃には、すやすや寝息を立て始める。
ことん、と沙羽さんが隣に座る俺の肩にもたれかかった。
その穏やかな寝顔を起こさないように、そっと体を近づける。
「お前も朝から働いたんだから眠いだろ。寝てていいぞ」
つい漏れ出たあくびを噛み殺したのがわかったのか、運転席のタケさんが、小さな声で言った。
打ち上げられた花火はとてもきれいで、見ごたえのあるものばかりだった。特にラスト、水中花火と打ち上げ花火と、全てが合わさって咲き誇る様は圧巻で、瞬きも呼吸も忘れて見入ってしまった。
ぞろぞろと引き上げていく人波に混ざって、駐車場へ向かう。みんなが歩いて帰路につく姿は、なんとなく物悲しく見えた。
まだ規制がかかっているのか、道はとても渋滞していた。名残惜しむように花火のすごさを語って盛り上がっていた綾川さんと沙羽さんも、きっと慣れない浴衣で疲れたのだろう、次第に静かになって、やがて渋滞を抜ける頃には、すやすや寝息を立て始める。
ことん、と沙羽さんが隣に座る俺の肩にもたれかかった。
その穏やかな寝顔を起こさないように、そっと体を近づける。
「お前も朝から働いたんだから眠いだろ。寝てていいぞ」
つい漏れ出たあくびを噛み殺したのがわかったのか、運転席のタケさんが、小さな声で言った。