年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「大丈夫です。すみません、行きも帰りも運転してもらっちゃって」
「いいよ、そういう名目作ってもらったのはこっちなんだから。花千もいつもよりはしゃいでたし、来れてよかった。……ありがとな、ホントに」
そう言って、タケさんがちらっと助手席に目をやって、ふっと顔を綻ばせる。
静かに繋がれた手を、沙羽さんもきっと気付いたんだと思う。
二人の手が繋がれた瞬間に、俺たちの最初から堂々と繋いでいた手にも、ぎゅっと力がこもったから。
高速をひた走る車は静かで、窓の外は木々が立ち並ぶばかりで、真っ暗だ。なんだか夏が急に終わってしまったように思えて、寂しくなる。
「……お前、片桐さんとこれからどうしていくのかとか、考えたことあるか?」
前を向いたまま、タケさんが静かに言った。
いきなりなんなんだと驚いたけれど、タケさんの顔は至って真剣だ。
「まだ、具体的には。今の俺は自分のことでいっぱいいっぱいだし、不安定だし」
「いいよ、そういう名目作ってもらったのはこっちなんだから。花千もいつもよりはしゃいでたし、来れてよかった。……ありがとな、ホントに」
そう言って、タケさんがちらっと助手席に目をやって、ふっと顔を綻ばせる。
静かに繋がれた手を、沙羽さんもきっと気付いたんだと思う。
二人の手が繋がれた瞬間に、俺たちの最初から堂々と繋いでいた手にも、ぎゅっと力がこもったから。
高速をひた走る車は静かで、窓の外は木々が立ち並ぶばかりで、真っ暗だ。なんだか夏が急に終わってしまったように思えて、寂しくなる。
「……お前、片桐さんとこれからどうしていくのかとか、考えたことあるか?」
前を向いたまま、タケさんが静かに言った。
いきなりなんなんだと驚いたけれど、タケさんの顔は至って真剣だ。
「まだ、具体的には。今の俺は自分のことでいっぱいいっぱいだし、不安定だし」