年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「ありがとうございます。……沙羽さんがいてくれたら、大丈夫な気がする」

安心したようにそう呟く彼の肩から顔をあげて、正面から向き合うと、そのままこつん、と額を合わせた。

「……今日、泊まってけるよね?」

大輔くんが少し驚いたように笑う。

「珍しいですね。もしかして、甘えてます?」

「いいじゃない、私が甘えたって。……さっきちょっと、初めての時のこと思い出しちゃった。あの時も抱えて運んでくれたじゃない?」

彼の腕の中で揺られながら、懐かしさを感じていた。まだ三ヶ月前のことなのに、なんだか随分前のことのような気がしてしまう。

「……明日から、沙羽さん仕事ですよね?」

「まだ今日だし。ちょっとくらい寝不足でも大丈夫」

私の家で過ごす時は大輔くんが仕事の後に来る時だから、大抵は日付が変わってしまっている。次の日の朝は結局私が起きられなくて、寝ぼけ眼のままいってらっしゃい、とベッドの中から見送るなんてしょっちゅうだ。
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