年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「知りませんよ?」
挑むように見下ろしてくる目は、いつもよりも男っぽくて、犬よりも肉食獣を思わせるような獰猛さが滲んでいて。
迷うことなく帯の結び目をほどいていく手は何故か手慣れていて、私はちょっぴり焦ってその手を掴む。
「先にシャワー浴びてこようかな」
「じゃあ一緒に浴びますか? 髪洗ってあげますよ」
「いやいやそれは結構です」
丁重にお断りして体を起こしたら、今度は彼の腕が後ろから巻きついてきた。
「折角浴衣着てるんだから脱がせたい」
うなじに軽く噛み付いて、手が合わせ目から忍び込んでくる。その手もいつもより少し強引で。
「大輔くん、ちょっと待って……」
「嫌です。手加減しないって言いました」
ちゅ、ちゅ、とうなじから頬を辿って唇を捉える。
「心配無用、なんですよね?」
顔を離してにっこり笑ってから、また唇が近付いてくる。
――いつの間に、ワンコからオオカミになったのか。
ちょっと迂闊だったかも、と少しだけ後悔しながら、彼のキスを受け止めるべく、ゆっくりと目を閉じた。
fin.
挑むように見下ろしてくる目は、いつもよりも男っぽくて、犬よりも肉食獣を思わせるような獰猛さが滲んでいて。
迷うことなく帯の結び目をほどいていく手は何故か手慣れていて、私はちょっぴり焦ってその手を掴む。
「先にシャワー浴びてこようかな」
「じゃあ一緒に浴びますか? 髪洗ってあげますよ」
「いやいやそれは結構です」
丁重にお断りして体を起こしたら、今度は彼の腕が後ろから巻きついてきた。
「折角浴衣着てるんだから脱がせたい」
うなじに軽く噛み付いて、手が合わせ目から忍び込んでくる。その手もいつもより少し強引で。
「大輔くん、ちょっと待って……」
「嫌です。手加減しないって言いました」
ちゅ、ちゅ、とうなじから頬を辿って唇を捉える。
「心配無用、なんですよね?」
顔を離してにっこり笑ってから、また唇が近付いてくる。
――いつの間に、ワンコからオオカミになったのか。
ちょっと迂闊だったかも、と少しだけ後悔しながら、彼のキスを受け止めるべく、ゆっくりと目を閉じた。
fin.