年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
――うわ、超絶イケメンがいる。
少し鋭い目元は色気があって、全部のパーツが男っぽいのに繊細で整っていて、あるべきところにぴったり収まっている。
短めの髪は深い黒、黒川くんより少し背が高くて、多分祥裄と同じくらい。
男っぽいのに男臭くないこの感じは、俳優とかアイドルじゃなくて、モデルにいそう。
私の姿を認めると、ふっと笑ってフロントから出てくる。
笑うと途端に穏やかな印象になって、思わず見とれた。
「さわさん、ですか?」
顔がいい男は声もいい。低すぎないけど落ち着いた声音はこの人にぴったりだ。
半分だけ開けていたドアをその人が引いた。
どうぞ、と促されて、おずおず中に入ると、その人はドアを閉めて私に待合のソファを勧める。
「わざわざ来ていただいてありがとうございます。店長の辻井(つじい)です」
私の斜め前にすっと膝をついて、名刺を差し出す。
黒川くんのものとデザインは同じで、肩書きがマネージャー、名前が辻井武尊(つじいたける)と書いてあった。さすがイケメンは名前もかっこいい、とまた感心してしまう。
それにしてもこの人、こんな店で店長、って、一体いくつなんだろう? 外見だけなら私より二、三個年下に見えるんだけど。