年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
ちらりと時計を確認すると、十時半過ぎ。
明日も仕事だけど、まあ酒を飲まなければ大丈夫だろう。
「今日はお仕事、これで終わり?」
「はい? まあ一応仕事は終わりですけど」
「じゃあなんか食べに行こうよ。私もご飯まだだし」
「いや、でも俺金ないから……」
「おごるよ。カット代の代わり」
「えっ? いいんですかっ?」
大げさに驚いた大輔くんが、なぜか意見を求めるように辻井さんを見た。
あれ、もしかしてカットモデルと一緒に食事ってマズイ?
それとも私がおごることか?
辻井さんはその視線に対して仕方ないな、って感じで笑うと、それこそ犬を追い払うみたいにしっしっと手を振った。
「カルテはちゃんと作っとけよ。片付けは俺がやっとく。行ってこい」
ありがとうございます、と笑う大輔くんの後ろに、また勢いよく振られるしっぽの幻影が見えた。
明日も仕事だけど、まあ酒を飲まなければ大丈夫だろう。
「今日はお仕事、これで終わり?」
「はい? まあ一応仕事は終わりですけど」
「じゃあなんか食べに行こうよ。私もご飯まだだし」
「いや、でも俺金ないから……」
「おごるよ。カット代の代わり」
「えっ? いいんですかっ?」
大げさに驚いた大輔くんが、なぜか意見を求めるように辻井さんを見た。
あれ、もしかしてカットモデルと一緒に食事ってマズイ?
それとも私がおごることか?
辻井さんはその視線に対して仕方ないな、って感じで笑うと、それこそ犬を追い払うみたいにしっしっと手を振った。
「カルテはちゃんと作っとけよ。片付けは俺がやっとく。行ってこい」
ありがとうございます、と笑う大輔くんの後ろに、また勢いよく振られるしっぽの幻影が見えた。