年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
それに比べて私は、はっきりした顔立ちと負けず嫌いな性格が相まって、頼りがいはあるけれど厳しい女として地位を確立してしまっている。

というか女としてなんて見られてないのかもしれない。


「やっぱ男ってさ、そういう可愛くて守ってあげたくなるような子のほうがいいのかな。
私みたいに可愛げのない女よりさ」

「人の好みなんてそれぞれだけど、可愛げはあったほうがいいわね、絶対に」

生ビールのおかわりを注文しながら、今度はうじうじし始めた私を鬱陶しげにみやって、瑞香はため息をついた。

「なんで瑞香は結婚できたのかな?」

「私の可愛げなめんなよ。ていうか失礼だから、それ」

瑞香だって私と同じくらい強い女のイメージなのに、ちゃっかり公務員の旦那を捕まえて今では二児の母だ。協力的な旦那さんで、今日も子供の世話を快く引き受けてくれたらしい。
いきなり呼び出した私が言うのもなんだけど、瑞香はいい身分だなと思う。

「あんたもね、中身は意外と乙女なのにね。
……まあ、少し冷静になって、祥裄くんのこと、もっとしっかり考えなさい」
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