年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
散々私の愚痴に付き合ってくれた瑞香は、まだ飲み足りないとごねる私を説き伏せて、早々に切り上げて家族の待つ家へ帰っていった。
あんまり無理は言ってはいけないと私もわかってはいるのだけど、酔っ払った頭では薄情者め、という感想しか出てこない。

もう気心の知れた友達はほぼほぼ既婚者で、かと言って数少ない独身の友達を呼び出しても傷の舐め合いになりそうでなんだか嫌だった。
でも明日は休みだし、こんな時間に家に帰ったら落ち込むだけ落ち込みそうで、仕方なく一人で馴染みのバーに寄る。

この年になるとそんな店もひとつふたつできていて、昔は馴染みのバーで一杯なんて大人でかっこいいなー、と思っていたけど、現実はただの寂しい独り者の時間つぶしだ。
< 9 / 462 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop