年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
店に入ると、辻井さんのお客さんがいて、一番奥の席で楽しそうに話していた。
なんだかえらく仲が良さげで、話す二人の間の距離も近い気がする。常連さんだろうか。
「まだお客さん、いるじゃない」
私が入っていっていいのか、と暗に問いかけると、大輔くんはいいんです、とあっさりと言う。
「綾川(あやかわ)さん、お客さんじゃないんで。うちのサロンモデルさん、っていうのかな、フライヤーとかホームページに使ってる写真のモデルさんなんです」
だからあんなに気安げなのか。
心の中で納得していると、店に入ってきた私たちに気付いた辻井さんが、そのモデルさんの耳元で何か囁いてから、近付いてくる。
「こんばんは。外、寒かったでしょう? 暖まって行ってくださいね。帰り、大輔に送らせればいいので」
少しだけ、雰囲気がいつもより砕けているような気がするのは、あのモデルさんと話していたせいだろうか。
「葉月は一人で向こうに行かせたから。お前、今日は行かなくていいぞ」
「すみません。ありがとうございます」
「その代わり、ちゃんと片桐さん送り届けろよ」
「はい」
じゃあ、と私に会釈して、モデルさんの元へ戻っていく。
そのモデルさんはこちらをじっと見ていて、私と目が合うと少し微笑んで頭を下げた。
抜けるように白い肌が印象的で、落ち着いた髪色で少しウェーブがかかったセミロングの、上品な雰囲気の子。
さすがモデルだけあって、きれいな子だった。さっきのアシスタントの子よりも、なんというか、格が違う感じで、辻井さんと並んでも見劣りしていない。
なんだかえらく仲が良さげで、話す二人の間の距離も近い気がする。常連さんだろうか。
「まだお客さん、いるじゃない」
私が入っていっていいのか、と暗に問いかけると、大輔くんはいいんです、とあっさりと言う。
「綾川(あやかわ)さん、お客さんじゃないんで。うちのサロンモデルさん、っていうのかな、フライヤーとかホームページに使ってる写真のモデルさんなんです」
だからあんなに気安げなのか。
心の中で納得していると、店に入ってきた私たちに気付いた辻井さんが、そのモデルさんの耳元で何か囁いてから、近付いてくる。
「こんばんは。外、寒かったでしょう? 暖まって行ってくださいね。帰り、大輔に送らせればいいので」
少しだけ、雰囲気がいつもより砕けているような気がするのは、あのモデルさんと話していたせいだろうか。
「葉月は一人で向こうに行かせたから。お前、今日は行かなくていいぞ」
「すみません。ありがとうございます」
「その代わり、ちゃんと片桐さん送り届けろよ」
「はい」
じゃあ、と私に会釈して、モデルさんの元へ戻っていく。
そのモデルさんはこちらをじっと見ていて、私と目が合うと少し微笑んで頭を下げた。
抜けるように白い肌が印象的で、落ち着いた髪色で少しウェーブがかかったセミロングの、上品な雰囲気の子。
さすがモデルだけあって、きれいな子だった。さっきのアシスタントの子よりも、なんというか、格が違う感じで、辻井さんと並んでも見劣りしていない。