恋する白虎
「確かに俺は人間じゃない。けど、もう、俺達は出逢ってしまったんだ」

「出逢わなきゃよかったよ!」

杏樹は、永舜の胸に腕を伸ばして距離を取り、それから離れた。

「私、永舜と恋はしない。もう、一緒にいられない」

杏樹は、一生懸命、頑張って言った。

「さよなら、永舜」

胸が痛くて痛くて、どうしようもなかった。
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