恋する白虎
そう言われてから次は、先ほどの繰り返しなのだ。

永舜は精悍な顔をグイッと杏樹に近寄せて、切れ長の眼を光らせた。

「俺に、抱かれたくないのか」

なっ、だっ抱かれ……!!

よ、よくもまあ、そんな事を正面切って堂々と……!

「ば、ば、ば、ばかーっ!!」

杏樹は、ベッドの上で、今にものし掛かってきそうな永舜に、枕をぶつけた。

「出てって!」

永舜は、くしゃくしゃと白銀の髪をかきあげた。

また追い出されたじゃないか。

すると、部屋の中からドタバタと音が聞こえ、ドアが開いた。

なんだ、気が変わったのか。

「杏樹」
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