恋する白虎
杏樹は、ひとりになった部屋で、熱くなった頬を両手で挟んだ。

それからベッドに腰掛け、ハアーッと息を吐き出した。

昨夜は心臓が、爆発するかと思った。

『今夜、一緒に過ごさないか?』

なんて聞かれて、はい過ごしましょう、と言えないじゃんっ!

だって、恥ずかしいじゃん!

しかも、朝は朝で、

『俺に抱かれたくないのか』

そんなの、聞くなっ!

ダメダメ、もう、この事は忘れて、何事もなかったように振る舞おう!

それがいいわ、そうしよう!!

杏樹は着替えると、ソロッとドアを開けた。

すると、部屋の前に突っ立っている永舜と眼が合ってしまった。

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