恋する白虎
「ボクあのね、紙は食べちゃいけないの。お腹、壊すよぉ。わかりましたかぁ?」

俺は、幼子か。

完全に、小バカにされてるじゃないか。

俺は白虎だぞ。

強いんだぞ。

永舜は、杏樹を抱く腕に力を込めた。

杏樹は、込められた腕の力に、少し息を飲んだ。

永舜を見上げると、端正な顔を傾け、綺麗な口元にニヤリと笑みを浮かべている。

「永舜」

「なんだ」

「もうっ、離して」

杏樹はもがいたが、永舜の腕はびくともせず、焦る杏樹をニヤニヤしながら見下ろしている。

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